今年もNoosaに行った。
あいかわらず、自転車でキャラバンパークからヌーサビーチまで走る。
旦那は海へ、私は読書、とやることは変わってない。
旦那が戻ってきて、しばらく読書をする私の横で海を眺めていたときのことだった。
夕暮れどきで人影も少なくなってきたビーチを歩く一人の老人。
手には杖のようなものを耳にはイヤホンをしている。
老人の散歩、と思いきや、一目でそうではないと分かる。杖の先にはなにやら円盤のようなモノが付いており、
老人はそれを左右に動かしつつ前進している。
たまに持っている金網で作られたコップみたいなのを砂に差し入れては持ち上げている。
金属探知機……。
そういえば、去年も見たような気がしたが、こんなおいしいネタを忘れるとは私もどうかしていたよ。
老人は私たちの前を通り過ぎた。
「この前を水道管が走ってるだろ」
旦那が話しかけてくる。
「水道管沿いに黄色いプラスチックのスコップが(砂に)刺さってる辺りに、10セント埋めてきた。見つけられるかなあ?」
何?
何でそんなことしたんだよ、と聞くと、人間観察、などとほざく。
なんてバカなんだ。
と内心怒りつつ、私もついつい彼の動きを見守ることになった。
あともう少し!
ところが老人はそこで方向転換し、こちらに戻ってきた。と思いきや、眼に見えない次のブロックへと移動する。
今度こそ。
しかしまたもや、老人は10セント地点を避けた。世の中、こういうふうにできてるよ。私は内心思った。
ところがだ!
ついに老人は10セント地点を通過した!
通過……、つうか、通過しちゃダメじゃないか!
なんてダメな金属探知機! それとも10セントごときは探知せず、もっと高価な装飾品などを探知するのだろうか。
ヌーサってばおしゃれで、お金持ちエリア(らしい)だからビーチで失くすモノもきっと値打ちがあるものに違いない。(旦那推測)
なにはともあれ、老人が去った後、10セントを探しに戻った私たちは、ある意味、
自分たちの行動を観察することになった。
しかも案の定、その金は二度と私たちの手には戻ってこなかった。
だから、5セントにしとけつうのに!!
ちなみに、その後違う人が同じ機器を持ってビーチを歩くのを見たので、宝探しをしている人間は確実に二人いる。
夕方、ヌーサのビーチに行ったなら、どなたか1ドルか2ドルコインでお試しあれ。
恐らく彼らが見つけられなかった場合、二度と戻ってこない覚悟で。